エンジニア兼クリエイターのSOHO環境例

東京在住・1DK・男性・独身、そんな属性のエンジニア兼クリエイターの自宅作業環境を公開します。現在インハウスエンジニアをしていますが、フリーランスだった頃に構築した環境を下げることが出来ず、いまだに業務レベルを維持しています。在宅勤務やリモートワーク環境構築の際にも参考になるかと思いますので一例としてご覧ください。

目次

間取り

1DK (ダイニングキッチン5.3帖 洋室3.7帖)で占有面積は25.18m²です。25m²は一人暮らしの標準的な広さと言われているので、機材が必要になる業種のSOHOには少し手狭になるかもしれません。

DK部分にPCデスクを配置しており、洋室部分を寝室・機材置き場として使用しています。撮影機材や登山装備などが場所を取るのと、厚いベッドマットレスを常設しているため洋室は全域埋まっている状態ですが、殆どの時間をPC前に居るためあまり不自由は感じません。機材置き場と布団を同じ部屋にした場合は埃の問題が出ますが、隔日程度の掃除を心がけてカバーしています。

PC周り

ミドルタワーのPC本体に43インチの4Kモニター、サブとして24インチの2Kモニターを配置しています。ほかには複合機や収録機器、少々拡張した音響環境、ゲーム機器などがあります。

デスク

十数年前に友人がプレゼントしてくれたガラス天板のPCデスクにスチールラックを組み合わせてPCデスク周りを構築しています。スチールラックも天板の高さに揃えればデスクの延長として使用できるのと、その時々の状況に合わせて自由に調整が可能なため、この構成は気に入っています。

デザイン重視と流行りに乗って一枚木のPCデスクを作りたいと考えたことがありますが、まだ使用できるものを捨てるのは個人的にあまり好きではないので、今のPCデスクが壊れるまではこの環境を維持しようと思います。とはいえなかなか壊れるものでもないので、大学入学当初に買ったデスクのサイドキャビネットやレンジ・炊飯器も20年以上経過した今でも現役だったりしており、「壊れたら買い替えよう」派としては少々複雑な心境です。

椅子

作業時間以外にも大半をデスクで過ごしているため、椅子にはなるべく投資をすることにしてハーマンミラーのアーロンを使用しています。

以前は1~2万円あたりの椅子を色々と使ってきましたが、蒸れたり腰が痛くなったりと、どれも何かしらの不満がありました。もちろん完璧な椅子など無いかもしれませんが、アーロンに変えて以降今のところ不満はありません。

とはいえ、アーロンに変えてから2週間ほどは腰痛になりました。ただし、これは今まで姿勢が曲がっていたのが矯正されたため、矯正途中の痛みと考えています。3週間目くらいからは痛みもなくなり、明らかに姿勢が良くなったのを実感するようになりました。

座り作業が多くなる想定の方はPC周りで一番重要な投資先と考えて良いかと思います。

モニター

43インチのモニターなんて大きすぎるから不要ではと聞かれることがありますが、使用していてそう感じたのは使用開始後半日程度で、遥かに快適さのほうが大きいです。PhotoshopやPremiereなど制作系ソフトを使う際も全メニューを並べつつ広い作業環境を維持出来るため効率が良いです。また、4K動画編集時にはドットバイドットで確認する必要がでる場合もありますが、そういった際にもこのサイズのモニターは有効に働きます。

万人にオススメかと聞かれるとそうではなく、視力が悪い方にはオススメできません。一般的に普及している24型の2Kモニターの文字サイズに慣れている場合、同じ文字の大きさで表示するためには48インチが必要になります。43インチにしてしまうと約90%のサイズになってしまうため、視認するのにストレスを感じる方が出てくると思われます。

OSには表示倍率を変える機能が搭載されているため108%程に設定すれば24型2Kモニターと同様の文字サイズに出来ますが、制作などをする方には拡大機能はオススメできません。先述のドットバイドットのメリットがなくなるほか、Windowsは描写サイズ調整で小数点以下が発生する場合に滲みが出てしまうことがあるためです。

また、高解像度のモニターを使用する際は、その分PCに負荷がかかるため、マザーボードやグラフィックボードを安価なものに抑えている場合、カクつきやPCファンが常時最高速度で回転していて煩くなるなどの問題も発生する可能性があります。

これらの要素が問題ない方にとっては43インチ以上の4Kモニターはオススメできますが、結構ケースバイケースになってくる部分が多いため、保有環境と望むものを明確にしたうえで検討されるのが良いでしょう。業務効率の向上度は高いため、私は43インチのモニター有効性を自宅で確認したのち、職場にも同じサイズのモニターを導入しました。

43インチを使いだしてからしばらくして、更に作業領域を広げたいケースが出てきたためモニターアームを使用して43インチの上に24インチモニターを追加しました。43インチをもう一台増やしたかったのですが、物理的に置く場所が無いため妥協しました。快適さの追求に終わりはないのだと改めて感じた次第です。

キーボード

キーボードは打感が好みで15年ほどLogicoolのK800(T)を使用していましたが、1年程前からMX KEYSに変更しています。使用頻度のせいかもしれませんが、K800の故障頻度が高く不満があったので、MX KEYSを試すことにしました。打感は気持ちが良いのと質感も気に入っているので、あとは耐久度さえクリアしてくれれば本格的に自宅・職場共に乗り換える予定です。

また、一度腱鞘炎になりかけた経験からレストリストを必ず使うようにしています。なりかけでもだいぶ苦労したので、手首に違和感を感じたらすぐに対応を講じるほか、保険として最初からレストリスト活用を検討することをオススメします。

マウス

マウスに関してはトラックボール一択です。理由は43インチのサイズを普通のマウスで使おうとすると動かす範囲が広くなるためとても疲れます。マウスの加速や範囲調整をすればいいのではと思うかもしれませんが、そうなるとデザイン業務時に細かい調整が難しくなるため、最終的にトラックボールに落ち着きました。

トラックボールを使い始めた際に多くの人が「使いづらい」と感じると思いますが、そのまま数日使い続けていればトラックボールの良さに気づけると思います。MX ERGOを選んだ理由はあまりないのですが、Logicoolで統一することでワイヤレスの受信機を1つにまとめることが出来るのと、手が比較的大きいので、大きいマウスのほうが使いやすかったため選んでいます。

マウスに関しては好みが大きく変わると思いますので、家電量販店などで触った感じを試してから購入することをオススメします。

補助デバイス

BitTradeOneのRev-O-mateという機器を用いて音量調整、制作ソフトのショートカットなどで使用しています。作業系の効率が上がるほか、リモート会議の際は人それぞれマイク音量が異なる場合があるので、すぐに調整が可能になるメリットは思いのほか大きかったです。

ソフト毎に動作を変えることも可能なため、突き詰めると効率はだいぶ変わるかもしれませんが、正直無くても何とかなります。

あえてオススメするならば秒単位でも作業を高速化したい方向けかなと考えます。

スピーカー・ヘッドホン

大半の時間を何かしらの楽曲を流しているのと、映画が好きでよく見るため高音質で聞けるようにとCreativeのGigaWorks T40 Series IIを使用しています。さらに出力を増やすため センタースピーカーとしてDenon SC-C17を追加し、サウンドボードのSound Blaster Zで制御しています。

同じメーカーでもなく、サラウンド用にセッティングされているスピーカーでもないので、バランスをとるのに少々時間がかかりますが、うまく調整が出来れば音質はかなり良くなります。

動画制作時のモニタリングのためにヘッドホンも準備しており、AKG K240 MkIIを使用中です。以前はド定番のSONY MDR CD900STを使用していましたが、一時期AKGにハマった時があり、その流れでモニタリング用もAKGに移行しました。

私の制作範囲では精細な音質調整を必要とするわけではないので、私には十分な性能と感じており過不足なく使用出来ています。

マイク

FIFINEのコンデンサマイクセットT669を使用しています。会議や勉強会でのメインスピーカーになる際には声が綺麗に届くようにするほか、動画収録時に使用します。出番が多いわけではないのと、室内環境を音声収録用に整えていないため高価なマイクを用意しても意味ないかなと考え、ある程度のものであればいいやと購入しましたが、特に会議などではカメラ内臓マイクよりも遥かに聞き取りやすいと言われることが多いため、用意してよかったと感じています。

撮影機材

説明が多くなりすぎるので別ページに分けます。

機材棚

機材置き場兼寝室

撮影機材保管用の防湿庫のほか、照明や三脚、カメラバッグ、撮影登山のための装備などが場所を取っています。撮影は私にとって趣味兼仕事なので場所を取ることは構わないのですが、趣味が他にあって、かつ撮影機材も置かないといけない場合は収納の工夫が必要になるかもしれません。

棚の上部には自営業だった頃の業務資料や個人の紙資料・書籍などを収納しています。ケースは無印のクリアケースですが、見た目が良くて頑丈なものの値段が高いため、他のケースにしておけば良かったかなと少し考えています。デザイン統一感のため今更ほかのケースに変えることは考えていませんが、最終的に何個くらい必要になるかも考えておけば良かったです。

ゲーム環境

メインモニターはPC・ゲームで共有しています。セレクターで簡単に切り替えられるようにしていますが、4Kのセレクターは相性問題が発生することが多く、オススメできるものがありません。私も5つ程試した結果、ようやくそのうちの1つで安定するようになりましたが、高い勉強代を払いました。(それでも時折フリーズするのでその場合はセレクターの再起動で対応しています)

安価なセレクターはまともに動かないものもあり安物買いの銭失いになる可能性が高いです。かといって高価なセレクターを購入して使用できなかった際の負担は大きいです。相性問題が出るのを念頭に、返品を前提として化粧箱などは綺麗に残しておくなどしたほうが良いと思われます。私はいつもの癖で化粧箱はすぐに破壊していたので返品もできず、二束三文で買取業者処分しました。

もう一つ、人によっては大きな弊害があります。それは作業環境とゲーム環境を気軽に切り替えられるということはゲームに意識を持って行かれるということです。私はゲーマーでありつつも、SOHO時代が長かったので意識の切り替えに慣れており、仕事と決めた時間にゲームを触ることはありませんが、この切り替えが上手く出来ない方は気軽に切り替えが出来ることのデメリットが大きくなる可能性があります。

あとがき

観葉植物とコーヒーのためのDIY

私はリモート中にDIYとコーヒーにハマったため、元々育てていた観葉植物とコーヒーのコーナーを自作しました。好きなものに囲まれて暮らすのはQOLの向上に役立ちますので、環境構築の際はそういった視点も取り入れてみると楽しいかと思います。

私の環境は仕事もプライベートもPCにどっぷり浸かっている人間の一例として、少しでも参考になれば幸いです。

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